飛鳥新社から2021年7月に刊行された子ども向けの語学の本、『「自宅だけ」でここまでできる! 子ども英語 超自習法』について筆者の鹿田昌美さんにうかがいます。
日本YA作家クラブ会員インタビュー第6弾は、会員さんへのアンケートとメールのやりとりをもとに、世話人の梨屋アリエが報告します。最新のYA作品や、みんなが知っているYA作品、YA層に読んで欲しい作品、その他、会員さんの情報としてYA作品以外の本の情報も、発信していきます。掲載順は、会員さんのお仕事のご都合に合わせて。更新は不定期になります。どうぞよろしくお願いします~。
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鹿田昌美さんにインタビュー!!
鹿田昌美さんは、映画でもおなじみの「ゴシップガール」シリーズや『キューティ・ブロンド』『サンキュー、ボーイズ』などの人気作品の翻訳のほか、子育てやビジネス系のノンフィクション作品や自己啓発本の翻訳など幅広く活躍されている翻訳家さんです。映画雑誌のライターの経験もあるそうです。今回の『「自宅だけ」でここまでできる!子ども英語超自習法』は、初の著書になります。
『「自宅だけ」でここまでできる! 子ども英語 超自習法』の内容を一言で言うと?
(鹿田さん)「もっと英語が得意になりたい」「お子さんに、英語が得意になってほしい」と思っていらっしゃるママパパに向けて、翻訳歴22年の子育て本の翻訳者が、ご家庭で簡単に英語力をアップさせる81のコツをアドバイスする本です。
(梨屋)おおよその対象年齢は?
(鹿田さん)2歳~9歳ぐらいのお子さんを持つママパパですが、大人の英語学習にも参考にしていただける内容です。
(梨屋)英語の早期教育に関心のある大人のかた向けなのですね。中高生にはまだ早いかな。
この本の執筆のきっかけは?
(鹿田さん)きっかけは、編集者さんとの雑談でした。うちの息子が、10歳で英検2級に合格したことを話したところ、「どうやって勉強されたんですか? さすが翻訳家さんのお子さんですね!」と驚かれました。そのときに、私は、【ほとんど自分が教えていない】ことに気づいたんです。英語に触れる環境を与えて、上手に見守るだけで、英語力を伸ばせることをお伝えしたいと思い、書籍化を提案したところ、企画会議を通過し、初めて本を執筆する運びとなりました。
(梨屋)わ、いまの説明だけでも興味がわいてきます!
出版後の反響や出来事について。
(鹿田さん)「10歳で英検2級」しかも「教えず、がんばらせず、お金をかけず」というキーワードに、多くの人が関心を持ってくれました。Forbes Japanや朝日新聞GLOBE+、人気の子育てサイトKIDSNAさんから取材を受けたり、講演会のお話をいただいたりしています。文字の読み書きが仕事である翻訳家が「英語はリスニングが9割」と主張する理由について説明すると、皆さん「なるほど」と納得して興味を持ってくださいます。帰国子女でもなく、中1から英語を始めて、専門職に就いている身として、「日本の英語力を(もっと楽に)底上げしたい!」という願いがありますので、これからも「子育て本の翻訳家」として具体的な実践アドバイスを伝える活動をしていきたいです。大人向けの英語本も書きたいと思っています。
(梨屋)小さいうちは、言葉を耳から覚えられますね。発達段階に合った語学学習の環境が家庭の中でできている子は、ラッキーだなと思います。いまはインターネットで海外の動画を見ることができますし、やる気さえあれば、世界中の言葉を覚えることもできますね。ぜひ、YA向けの英語本も書いてください!
ところで、私事になりますが、日本語教育能力検定試験を去年受けて、独学でしたが無事に合格しました。これは日本語教員としての水準をみたしているかを検定する試験です。試験勉強中に知った言語教育法の変遷がとても興味深かったです。それによると、わたしが子どものころに学校で受けた英語教育は、現在では学習効果がないとされているらしいのです……。
語学習得や発達についてはいろいろな学説がありますので、わたしたち大人ができるのは、その子の発達段階に合った学習方法を見つけるお手伝いをする、ということかなあ……と思います。鹿田さんの本も、その一冊となりますね。パパママを応援してくれる本でもあります。
出版社のサイト
http://www.asukashinsha.co.jp/bookinfo/9784864108492.php
現役中学生高校生に、英語学習のアドバイスをお願いします。 また、英語好きの子を増やすために学校図書館におくと良い本があれば教えてください。
(鹿田さん)幼い子どもは「耳から」の学習がメインですが、中高生は「仕組みを理解する」能力が高いので、「リスニング」はこの本に書いたようにご家庭で自然に英語に触れる環境を整えた上で、学校の授業で学ぶ「文法」をしっかり押さえましょう! また、英文を読むときは必ず「音読」するのがお勧めです。
学校図書館に置いてほしい本……手前みそになりますが拙訳『世界を知る101の言葉』(Dr. マンディープ・ライ著、飛鳥新社刊)は102ヵ国を「一言」で紹介する教養&ガイド本で、世界各地の状況を肌感覚で知ることができます。英語学習の先にあるのは異国とのコミュニケーションですので、ぜひ若い世代に読んでもらいたいです。それから、日本語版が人気の『マジックツリーハウス』シリーズのように人気のある児童書~YAの翻訳書の原書がさりげなく本棚の隣に並んでいたら嬉しいなと思います!
鹿田昌美さんProfile
大阪府出身、東京都在住。
翻訳家、英語教育者。
執筆以外の最近の活動や関心ごとを一言おねがいします。
(鹿田さん) 休日はアウトドア(山・自転車)や温泉を楽しみにしています。
その他の近刊について
(鹿田さん)新作の翻訳に取りかかっています。今年は「母親」「子ども」「健康」がメインテーマになりそうです。近日出版の訳書を紹介させていただくと、『母親になって後悔してる』(オルナ・ドーナト著、新潮社刊)が3月24日発売、『子どものデジタル脳「完全リセット」プログラム』(ヴィクトリア・L・ダンクリー著、川島隆太監修、飛鳥新社刊)が4月26日発売予定です。
鹿田昌美さん、ご協力ありがとうございました!
鹿田昌美さんには、「日本YA作家クラブ ニューズレター 第5号」の「作家・翻訳家のお気に入り調査隊」コーナーにご登場いただきました。
日本YA作家クラブでは年に二回、図書館や学校図書館、読書推進活動をしている団体様向けに、ニューズレターを発行しています。ニューズレターについての情報は、公式サイトを御覧ください。下の図からリンクしています。
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