研究社から2021年10月下旬に刊行する『翻訳エクササイズ』について、作者の金原瑞人さんにうかがいます。
日本YA作家クラブ会員インタビュー第6弾は、会員さんへのアンケートとメールのやりとりをもとに、世話人の梨屋アリエが報告します。最新のYA作品や、みんなが知っているYA作品、YA層に読んで欲しい作品、その他、会員さんの情報としてYA作品以外の本の情報も、発信していきます。掲載順は、会員さんのお仕事のご都合に合わせて。更新は不定期になります。どうぞよろしくお願いします~。
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会員インタビュー第6弾は、金原瑞人さんからスタート! ですが……
「え~っ、第1回なのにYAの紹介じゃないんですか~?」と言われそうなので、梨屋からはじめに説明させていただきます。 11月刊行のYA『人間の絆』(※金原さん的にはサマセット・モームのこの作品はYAだそうです)の紹介を金原さんは希望されていらっしゃいましたが、ブログ公開予定の日にはまだ書影が出てないようなので、運営の都合で、書影の決定しているこちらの本についてお話を伺いました。すみません。すみません。すみません……。
『翻訳エクササイズ』(研究社)の、対象読者はどんなかたですか?
(金原さん)高校3年生以上かなあ。ただ、扱いは一般書で、読者対象は英語に興味のある人ですが、英会話とはほぼまったく無縁の本です。そもそも、ぼくは英会話が苦手で、作者がたまに日本にくることになって、会いたいといってきた場合、なるべく逃げるようにしてます。 まあ、翻訳の入門書なので、読者対象は、翻訳家、翻訳家志望者、編集者、英語翻訳についてちょっと偉そうなことをいってみたい人、などなど。 ただ、文章量からいうと、前半は英語や日本語についてのエッセイみたいな部分のほうが多いかもしれません。絶対に日本語にならない英語とか、英語にはない常体と敬体の使い分けとか、役割語とか、そんなことについて、ああでもない、こうでもないなどと書いてます。
(梨屋)日本語を改めて深く知るきっかけにもなりそうですね。 出版社のサイトから第1章が全文読めるようになっていると教えていただいたので、さっそく読んでみました。わたしは翻訳家志望ではないですが、読みやすくて面白かったので、気づいたときには第1章を全部読み終わっていました。金原訳のファンはもちろんですが、言葉に関心がある人にも面白い内容だと思います。翻訳小説を読むときって、先を知りたくなって些細な単語は気にせず一瞬で読み飛ばしてしまいますが、翻訳家の方って、読者の想像できないところであれこれ……(省略)。
執筆の動機、きっかけを教えてください
(金原さん)「通訳・翻訳ジャーナル」という季刊雑誌に1年間4回分の連載を依頼されて、書いたところ、編集者に「とてもおもしろいから、ぜひもう1年」とおだてられて、結局8回分書いてしまい、なら、本にできるじゃん、というわけで、研究社の編集さんから声がかかって、こんな形にまとまりました。
(梨屋)中に、受講生なども登場しますか?
(金原さん) 本人、オンステージ。客演として、まわりの翻訳家や翻訳講座の受講生。たまに、編集さん。
(梨屋)とてもシンプルでわかりやすい書名と落ち着いた表紙ですが、今回のタイトルや装丁はどのように決まったのでしょうか。
(金原さん) いつものことながら、すべて編集者におまかせです。
この本の出版に関連したイベントはありますか?
(金原さん)11月22日(月)19時からのジュンク堂でイベントがあります。おそらくzoomですね。
出版社による新刊の告知サイト
https://www.kenkyusha.co.jp/purec/#ISBN978-4-327-45302-2(こちらからは、第1章が全文、読めます)
執筆以外の最近の活動や関心ごとを一言おねがいします。
(金原さん) ないなあ。大学の授業と翻訳ひと筋です。 そういえば、昔からマジックが好きで、いまでもたまにマジックグッズを買って楽しんでます。前にも書いたけど、この点に関しては萩原朔太郎に似てます。 https://www.youtube.com/watch?v=Im12-JPs2bQ これとか、おもしろそうでしょう?
金原瑞人さんProfile
岡山市出身。東京都在住。法政大学教授・翻訳家。 https://kanehara.jp/
(撮影 根津千尋氏)
そのほかの近刊(翻訳・共訳)
9月『湖の中のレイチェル』K.R. アレグザンダー著 小学館 10月『ロボベイビー』デイヴィッド・ウィーズナー著 ビーエル出版 『人間の絆(上・下) 』サマセット・モーム著 新潮文庫 11月『木のロボットと 丸太のおひめさまの だいぼうけん』 トム・ゴールド著 ほるぷ出版 『スカーレットとブラウン あぶないダークヒーロー』 ジョナサン・ストラウド著 静山社
金原瑞人さん、ご協力ありがとうございました!
そうそう、マジック言えば……、金原さんには「日本YA作家クラブ ニューズレター 第6号」の「作家・翻訳家のお気に入り調査隊」コーナーでも、マジックのグッズと朔太郎のことを書いてくださいました。
日本YA作家クラブでは年に二回、図書館や学校図書館、読書推進活動をしている団体様向けに、ニューズレターを発行しています。ニューズレターについての情報は、公式サイトを御覧ください。下の図からリンクしています。
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