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インタビュー 小説家の篠原美季さん 「倫敦花幻譚」シリーズで、ヴィクトリア朝のロンドンを舞台に素敵な冒険を!

新書館ウィングス文庫から2021年9月に刊行されたライトノベル、「倫敦花幻譚4 緑の宝石~シダの輝く匣~」について作者の篠原美季さんにうかがいます。


書影
 
日本YA作家クラブ 会員インタビュー 第6弾は、会員さんへのアンケートとメールのやりとりをもとに、世話人の梨屋アリエが報告します。最新のYA作品や、みんなが知っているYA作品、YA層に読んで欲しい作品、その他、会員さんの情報としてYA作品以外の本の情報も、発信していきます。掲載順は、会員さんのお仕事のご都合に合わせて、決めていきます。更新は不定期になります。どうぞよろしくお願いします~。
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篠原美季さんにインタビュー

  

篠原美季さんは『英国妖異譚』で講談社ホワイトハート大賞優秀賞を受賞し、デビュー。ヨーロッパを舞台にしたオカルトファンタジーのほか、香谷美季さん名義で「あやかしの鏡」シリーズ(講談社青い鳥文庫)などを発表しています。


『倫敦花幻譚4 緑の宝石~シダの輝く匣~』の内容をひとことでお願いします!


(篠原さん)十九世紀(ヴィクトリア朝)のロンドンを舞台にした不思議な花を巡る冒険譚です。当時の雰囲気が少しわかるかも? 


(梨屋)版元は新書館ウィングス文庫ですね。おおよその対象年齢はどのあたりでしょうか?


(篠原さん)中学生以上です。


執筆のきっかけは?


(篠原さん)もともとヴィクトリア朝が大好きで、その理由はというと、開拓精神が旺盛で世界の覇者となっていたイギリス人が、あちこちに行っては、当時のヨーロッパでは神秘の世界に属するものに触れていく、そのワクワク感が伝わってくるからです。

そんなものの一つが、植物だったんです。

庭好きのイギリス人ですが、もともと在来種の乏しい国で、この頃に目の色を変えて各国の植物をかき集めたようなんです。で、それと一緒に、笑ってしまうような東方の伝説も持ち帰っている。

科学と伝承の入り乱れるこの時期のイギリスやヨーロッパは、本当に題材に尽きないし、描いていて楽しい世界だと思います。


(梨屋)なるほど。お好きな時代のお話なのですね。

 執筆中の出来事で、印象に残っていることはありますか?


(篠原さん)小説家あるあるの話だとは思いますが、シリーズを書いていると、不思議と扱っているものをテレビのバラエティ番組などでよく見かけるようになります。

 この小説では、公爵家お抱えのプラントハンターが主人公になっているのですが、世界を探検するような番組で現代に生きる「プラントハンター」を紹介したり、蘭ハンターの話を書くと蘭についての特集があったりと本当に連動するんです。──不思議ですよね。あまりにタイミングが良すぎて、ちょっと集団的無意識なんてものを考えてしまうことがあります。(笑)


(梨屋)あるある、あります。気になります。カラーバス効果ですね。


登場人物について


(梨屋)四巻目の表紙には、男性が二人描かれていますね。


(篠原さん)私の書く小説では、比較的主人公が頼りない場合が多いのですが、今回は絶対的な英雄にしてみました。

 その名も、ネイサン・ブルー。

 美貌のプラントハンターで、しかも、なにかあったら「ネイサンを呼べ」というくらいの英雄ぶりです。

 ただ、かといって筋骨隆々な美丈夫という感じではなく、ふだんはあくまでもしなやかなお人好しで、スイッチが入った時だけ、危険も顧みずに渦中に飛び込むという、私にとって理想の男性像に近いかもしれません。

そんなネイサンのことをこよなく愛するのが、若きロンダール公爵であるウィリアムで、幼馴染みの二人の掛け合いや、ちょっと間が抜けている昆虫愛好家のケネスなどとのやり取りは、描いていて本当に楽しい場面でした。

ま、過酷な海上生活をしてきたネイサンが美貌でいられるのも謎ですけど(笑。


(梨屋)美貌の英雄に幼なじみの公爵に昆虫愛好家……そして倫敦。いま説明を聞いただけでも素敵な物語の世界……。

 このシリーズは、今後も続刊が出る予定ですか。


(篠原さん)シリーズ最終巻となる五巻は五月頃に刊行予定です。


(梨屋)いまから読んでみたいと思う人には、ちょうどいいタイミングで本を揃えられますね。


出版社による本の情報のサイト

著者
「花幻譚」なだけに、月見の頃に月に見立てて自分で生けたお花にしてみました。




篠原美季さんProfile


東京都出身 横浜市在住。

小説家。






執筆以外の最近の活動や関心ごとを一言おねがいします。


(篠原さん) 天然石(ジェムストーン)とダンスです。


(梨屋)どんなダンスでしょうか? 見るほうですか、踊るほうですか?


(篠原さん)踊る方ですね。主にジムでZUMBAやヒップホップ・ジャズのクラスに出ています。        特に、カウントで振りを覚えてから踊るヒップホップ・ジャズのクラスは、いい脳トレです。



その他の近刊

2021年12月『サン・ピエールの宝石迷宮 琥珀と秘密の終焉』 (講談社X文庫)

2021年3月『古都妖異譚 玉手箱~シール オブ ザ ゴッデス』 (講談社)

2020年4月『骨董商アリステア・ゴドウィンの秘密』 (角川ホラー文庫)


篠原美季さん ご協力ありがとうございました。



レター

日本YA作家クラブでは年に二回、図書館や学校図書館、読書推進活動をしている団体様向けに、ニューズレターを発行しています。


篠原さんには「日本YA作家クラブ ニューズレター 第7号」の「作家・翻訳家のお気に入り調査隊」コーナーに、ご登場いただきました。



ニューズレターについての情報は、公式サイトを御覧ください。下の図からリンクしています。



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