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インタビュー 児童書作家の如月かずささん 『スペシャルQトなぼくら』のおしゃれな二人とキュートで明るく性自認について知ってみよう!

講談社から2022年4月に刊行されたYA、『スペシャルQトなぼくら』について作者の如月かずささんにうかがいます。


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日本YA作家クラブ 会員インタビュー 第6弾は、会員さんへのアンケートとメールのやりとりをもとに、世話人の梨屋アリエが報告します。最新のYA作品や、みんなが知っているYA作品、YA層に読んで欲しい作品、その他、会員さんの情報としてYA作品以外の本の情報も、発信していきます。掲載順は、会員さんのお仕事のご都合に合わせて、決めていきます。更新は不定期になります。どうぞよろしくお願いします~。
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如月かずささんにインタビュー

  

 如月かずささんは『サナギの見る夢』で講談社児童文学新人賞佳作、『ミステリアス・セブンス―封印の七不思議』ではジュニア冒険小説大賞を受賞。さらに『カエルの歌姫』で日本児童文学者協会新人賞。YAだけでなく、小学生向けのシリーズも大人気です!


『スペシャルQトなぼくら』の内容を、一言で言うと?

(如月さん)スペシャルキュートなふたりの中学生が、おしゃれとメイクを通じて友情を育んだり恋をしたりする物語です。LGBTQのQ=クエスチョニングをテーマのひとつとしていて、主人公の親友となるユエは身体的には男子、性自認は男女どちらかわからないクエスチョニングです。主人公のナオは男子ですが、ユエと親しくなるなかで、おしゃれとメイクにハマっていきます。性別とか気にしないで、好きなものは好きでいいじゃない、というメッセージをこめた物語でもあります。


(梨屋)読者対象はどのあたりですか?


(如月さん)YAなので中高生がメインの読者ということになりますが、小学校高学年くらいから読めると思います。ぜひ読んでほしいですね。もちろん大人のみなさんにも。


この本の執筆のきっかけは?


(如月さん)8年半ぶりの長編YAとなります。この間、いじめや貧困をテーマにした作品にも挑戦したのですが、テーマに引っ張られて物語が暗く重たいふんいきになり、途中で「これ書きたくないな…」と感じて挫折してしまいました。

せっかくYAを書くのだから現代的なテーマを取りこみたい、だけどキュートで明るい物語を書きたい。じゃあどんなテーマならそういうものが書けるだろうかと考えたときに、アイデアのひとつとしてあったのがLGBTQのQ=クエスチョニングをテーマにした物語でした。

最初はいろいろなタイプのクエスチョニングの子を主人公にしたオムニバス形式の連作短編にするつもりだったんですけど、いくつか思いついた短編のアイデアのひとつの主役だったナオとユエにどんどん愛着がわいてしまって、このふたりの物語を短編ではなく長編でじっくり書きたい、と思ったのが『スペシャルQトなぼくら』執筆のきっかけです。


(梨屋)なるほど。執筆中に工夫されたことはありますか?


(如月さん)最近の中高生のファッション事情を知るために、中高生向けのファッション雑誌をひたすら読んで勉強しました。主に『nicola』と『Popteen』と『SEVENTEEN』と『ニコプチ』のバックナンバーを過去2年分くらい。『ニコプチ』は中学生より低めの年齢層がメインですが、うちのふたりの好みには合いそうだったので。

バックナンバーをすべて購入することはさすがにできず、近所の図書館からとっかえひっかえ借りてきて読んでいたので、図書館の職員さんには「なぜ中高生向けのファッション雑誌をこんな大量に…?」とさぞかし不審がられたのではないかと思います。


(梨屋)タイトルがとってもユニークですね。キュートとLGBTQのQをかけているのが、とてもわかりやすし、楽しいですね。


(如月さん)ありがとうございます。実は最初にプロットを提出したときには、もっと地味な題名だったんです。内容も完成版とはだいぶ違って、担当さんからの反応もいまいちでした。

とりあえず執筆のゴーサインはもらえたのですが、このまま書いても出版は難しいだろうなあ、と感じて、プロットを全面的に組みなおそうとしているときに、『スペシャルQトなぼくら』という題名をぱっとひらめいたんです。ひらめいた瞬間に、これしかない、と思いました。これ以上ぴったりな題名は考えられないだろう、って。

題名が決まったら、難航していたプロットの再構成も不思議とするする進んで、これは絶対おもしろいものにできる、と自信を持って執筆に取りかかることができました。作品を完成させられたのは、この題名のおかげといっても過言ではありません。まさに会心の題名です。


(梨屋)ちなみに如月さんはファッションには興味がありますか? ふだんどんなお店に行きますか? 学生時代はどうでしたか?


(如月さん)興味がないわけではないのですが、たいてい通販ですませてしまいます。デザインよりも価格と機能性重視です。学生時代はちょっとおしゃれをしようとした時期もあったようななかったような…。




講談社のサイト

https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000358558


近影


如月かずささんProfile


群馬県桐生市出身&在住。

児童書作家。


https://twitter.com/ragi166

https://note.com/ragi166





執筆以外の最近の活動や関心ごとを一言おねがいします。


(如月さん)大学時代から20年ほど東京で暮らしていたのですが、最近郷里の群馬県桐生市に帰ってきました。いまは桐生での新しい住まいをさがしているところです。この記事が公開されるころには見つかっているといいのですが…。


最後にもう一つ質問です。


(梨屋)如月さんは低学年向けのお話をたくさん書いていますね。低学年向け作品を書くときとYAを書くとき、どんなところを気にかけて作品づくりをしていますか? 作品を書くときにどんなふうに切り替えていますか。


(如月さん)特に低学年向けだから気にかけていることなどはないですね。読んでくれた人に「おもしろかった!」と言ってもらえるような作品を書こう、といういつもどおりの意識で書いています。去年も『スペシャルQトなぼくら』の草稿を書きあげた翌日から低学年向けの『うたうラッパ貝がら』の原稿を書きはじめて、その後また『スペQ』の推敲にもどったりしていましたが、語り手が変われば使う言葉も自然と変わるので、切り替えで苦労することもあまりありません。







その他の近刊


20223月『びっくり図書館』(「なのだのノダちゃん」シリーズ  小峰書店)

    1月 アンソロジー『君色パレット 多様性をみつめるショートストーリー (3) SNSで繋がるあの人』 (君色パレット多様性をみつめるショートストーリー)(岩崎書店

20218月『うたうラッパ貝がら』 (ミッチの道ばたコレクション) (偕成社)



如月かずささん ご協力ありがとうございました。



レター

日本YA作家クラブでは年に二回、図書館や学校図書館、読書推進活動をしている団体様向けに、ニューズレターを発行しています。


ニューズレターについての情報は、公式サイトを御覧ください。下の図からリンクしています。



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