講談社から2021年5月に刊行された連作短編集『私立五芒高校 恋する幽霊部員たち』について作者の谷口雅美さんにうかがいます。
日本YA作家クラブ 会員インタビュー 第6弾は、会員さんへのアンケートとメールのやりとりをもとに、世話人の梨屋アリエが報告します。最新のYA作品や、みんなが知っているYA作品、YA層に読んで欲しい作品、その他、会員さんの情報としてYA作品以外の本の情報も、発信していきます。掲載順は、会員さんのお仕事のご都合に合わせて、決めていきます。更新は不定期になります。どうぞよろしくお願いします~。
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谷口雅美さんにインタビュー
谷口雅美さんは『大坂オナラ草紙』で講談社児童文学新人賞佳作受賞。短編小説のアンソロジー集の刊行やラジオドラマの受賞歴もあり、FMラジオ局の番組のアシスタントなどでもご活躍中です。
『私立五芒高校 恋する幽霊部員たち』の内容をひとことでお願いします!
(谷口さん)私立五芒高校に入学した「でんでん」こと伝田(でんだ)要(かなめ)は色白美少女にひと目惚れ。でも、彼女は伝説のユーレイかもしれなくて……?
普通科・工業科・芸術科のある高校で繰り広げられる青春ラブコメディ、時々オカルト。
5分ほどで読める短編が11作品入っています。
(梨屋)おおよその対象年齢は小学校高学年からとのことですが、谷口さんにとって、このご本は高学年向けの児童文学でしょうか、YA小説でしょうか、それとも一般文芸の青春小説に近いですか?
(谷口さん)YA小説ですね。
執筆のきっかけは?
(谷口さん)子どもの頃大好きだった小山田いく先生のコミックス『すくらっぷ・ブック』のように、クラスのほぼ全員にスポットライトが当たる恋愛青春群像を書きたいと思っていました。
ツイッターの「#記念日にショートショートを」という企画に参加したことで、短編やラブコメへの情熱が再燃。主人公が一話ごとに変わる連作短編集をやりたい、と担当さんにお願いしました。
(梨屋)きっかけの一つにツイッターがあったのは面白いですね。谷口さんは、児童文学作家として本を出す以前に、公募作品をまとめた『99のなみだ』などのたくさんのアンソロジー集にも関わっていらっしゃいますが、ふだんから短編を書くことが多いのでしょうか? 短編小説を読むのもお好きですか?
(谷口さん)今はどちらかというと長編が多いですね。読者としては、短編も長編も大好きです!
(梨屋)今回は連作短編集ということで、工夫されたことはありますか?
(谷口さん)7話の「肝だめしはお好き?」はキャラが総出演する回で、担当さんに好評でした。「最終話もキャラ総出演で」ということになり、学科・学年入り乱れてショートムービーを撮るエピソードにしたのですが、長い上にわかりづらくなってしまって……何度も書き直しました。
装丁について
(谷口さん) 装画は、担当さんとデザイナーさんにいつもお任せです。今回、本文に使う紙を薄いものにしたり、扉ページに透かし紙を使ったりと工夫してくだったので、表紙の質感と相まって詩集のような趣です。是非、手に取ってお確かめください。
装画を担当してくださったあわいさんが、ご自身の作業用に作られたキャラ表がとてもステキだったので見返しで使わせていただきました。キャラの印象コメントもついていて、眺めているだけで楽しいです。
出版社による本の情報のサイト
谷口雅美さんProfile
兵庫県生まれ。兵庫県在住。
会社員時代6年半ほど横浜に住んでいました。
ものかき(ジャンルが複数にまたがっていたり、シナリオや取材記事もやっているので)。
Photo 時吉大輔氏
執筆以外の最近の活動や関心ごとを一言おねがいします。
(谷口さん)児童書用のネタを探していた時の出会った素材から、時代小説文庫の『殿、恐れながらブラックでござる』が生まれました。全てのものが必ずいろいろな形で繋がるので、これからも人や本、映画や音楽などあらゆるご縁を大切にしていきたいです。
その他の近刊
2021年8月『殿、恐れながらブラックでござる』(講談社文庫)
谷口雅美さん ご協力ありがとうございました。
日本YA作家クラブでは年に二回、図書館や学校図書館、読書推進活動をしている団体様向けに、ニューズレターを発行しています。
ニューズレターについての情報は、公式サイトを御覧ください。下の図からリンクしています。
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