インタビュー 小説家の天川栄人さん 『おにのまつり』で、岡山の夏の「うらじゃ」の魅力を知って!

講談社から2022年7月に刊行されたYA小説、『おにのまつり』について作者の天川栄人さんにうかがいます。


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日本YA作家クラブ 会員インタビュー 第6弾は、会員さんへのアンケートとメールのやりとりをもとに、世話人の梨屋アリエが報告します。最新のYA作品や、みんなが知っているYA作品、YA層に読んで欲しい作品、その他、会員さんの情報としてYA作品以外の本の情報も、発信していきます。掲載順は、会員さんのお仕事のご都合に合わせて、決めていきます。更新は不定期になります。どうぞよろしくお願いします~。
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天川栄人さんにインタビュー

  

 天川栄人さんは「悪魔のパズル」で第9回みらい文庫大賞・大賞受賞のほか、角川ビーンズ小説大賞審査員特別賞なども受賞され、ライトノベルや児童文庫でご活躍されてきた作家さんです。


『おにのまつり』の内容を、一言で言うと?

(天川さん)岡山の夏の風物詩・よさこいの一種「うらじゃ」に取り組む中学生5人の物語です。


(梨屋)読者ターゲットは中学生でしょうか?


(天川さん)小学校高学年くらいから中高生、もちろん大人の方も。


執筆の動機、きっかけについて


(天川さん)昨年、梨屋さん主催の「YA小説を書いてみよう部」で、ふるさと岡山を舞台にしたYA小説を書いたのがすごく楽しくて。もともと地元愛が強いので、「YA小説書きたいです! 岡山で!」と編集者さんに猛アピールしました。  岡山といえば桃太郎。「岡山には鬼の格好をして踊る『うらじゃ』という祭りがあるんですよ」とお話ししたところ、編集者さんが「鬼の祭りって面白いですね」とおっしゃったんです。そこから、「うらじゃ」や、そのモチーフで桃太郎のお話のもとになったとも言われる温羅(うら)伝説について調べるうちに、お話が出来上がりました。


(梨屋)うらじゃって、表裏の意味じゃなくて、温羅伝説というものがあったのですね。装丁、かっこいいですね。この表紙をみたら、読みたくなりますね。


(天川さん)挿画はイラストレーターの中島梨絵さんにご担当いただきました。赤い着物と青い空が夏らしく映えて、本当に綺麗な本になったと思います。特に素晴らしいと思うのが裏表紙。ぜひ最後までお読みになった後、帯を外してもう一度眺めてみてください。


登場人物について


(天川さん)大切な人を失ったり、人間関係がうまくいかなかったり、貧困や親からのプレッシャーなど、様々な悩みを抱える5人の中学生それぞれの語りで進行するお話です。踊りの練習を重ねる中で、葛藤し、成長していく彼らの姿を見守ってもらえると嬉しいです。


(梨屋)天川さんも中学生のころに踊ったのですか?


(天川さん)私自身は、出たことはないんです。ただ、いとこが「うらじゃ」常連だったので、当日のことや本番までの練習方法など、たくさん話を聞かせてもらいました。

「うらじゃ」本祭に出るのは大学生や社会人のよさこいサークルの方が多いのですが、岡山市内の小学生は運動会で踊ったりするので(ソーラン節みたいなイメージ)、本祭に出たことはないけれどフリや音楽は身体に染みついているって人、けっこう多いんじゃないかと思います。私も「うらじゃ原曲」はそらで歌えます。


(梨屋)そうですか。楽しそうですね。わたしは子どもの時、地元の小学校の運動会で「小山音頭」を踊りました。市の歌「小山わがまち」も歌えます。わかる人が少ないので寂しいです……。

 さて、新刊関連のイベントがあるそうですね。


新刊関連のイベントについて


(天川さん)コロナの影響で2年連続で中止になっていた「うらじゃ」、2022年度は8月20日、21日の2日間で開催予定です。今年こそ無事に開催されますように。お近くの方は、感染対策を徹底して、ぜひ足をお運びください。(https://uraja.jp/

 それに合わせて、岡山市立幸町図書館にて連携展示が行われます。『おにのまつり』も並べていただく予定です。

「うらじゃ×幸町図書館 連携展示~うらじゃと伝統~」2022年8月9日から8月28日まで。図書館2階の連携展示スペースにて。


(梨屋)お近くの方はぜひ!



出版社のサイト

https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000367377


近影



天川栄人さんProfile


岡山県生まれ、大阪府在住

小説家

https://eight-tenkawa.hatenablog.com/

Twitter:@EightTenkawa





執筆以外の最近の活動や関心ごとを一言おねがいします。


(天川さん)映画と編み物と英文学と天文とプリキュアが好きです。最近、飼い猫がモニター脇から執筆をじっと見守ってくるようになり、プレッシャーを感じています。

執筆見守りねこ

ところで……


(梨屋)天川さんは人間・環境学という分野で大学院を出ていらっしゃるのですね。現在の小説家のお仕事に関連するような研究をされていたのでしょうか? いつ頃から将来は小説家になろうと思われていたのですか? 


(天川さん)説明が長くなってしまうのですが……。私は昔から「文理どっちも!」タイプで、高校のころはゴリゴリの理系でしたが、同時に部活では短歌や小説の執筆に没頭していました。当時から、自分はいつか小説家になると信じて疑わず、また同じだけの確信度で、天文台か科学館で働くぞとも思っていました。将来設計がブレブレです。

 宇宙物理を志し、一浪してまで理学部に入ったはいいものの、入学後に英文学に目覚めてしまい、結局3回生のときに総合人間学部に転向、その上にある人間・環境学研究科に進みました。卒論の題材はメアリー・シェリーの『フランケンシュタイン』。言わずと知れたゴシックホラーの古典ですが、私はこの作品から「物語る」ということについて多くを学びました。小説家としてデビューしたのはこのころです。

 英文学なのになんで文学部じゃなくて総合人間学部なのという話なんですけど、総人って分野横断型というか、「文理とかこだわらず好きなことやんなさい。両方やりたいならやっていいよ」という学部だったんです。主専攻は英文学、副専攻は理学という極端な感じでも許されたので、理系の授業も引き続き受けつつ、英文学にのめりこむことができました。院ではさらに映画論やフェミニズムにも手を伸ばし、シャーロット・ブロンテの『ジェーン・エア』で修論を書きました。

 我ながら自由な感じですが、どんな知識も創作の種になると思えば、フラフラするのも悪くないです。最近は数学やジェンダーについて勉強中。いつか本になったら、読んでください。



その他の近刊


2022年3月『毒舌執事とシンデレラ(3)』 (講談社青い鳥文庫)

    7月『あやかし協定 超クールな相棒とミッションに挑め! 』(集英社みらい文庫)



天川栄人さん ご協力ありがとうございました。

レター

日本YA作家クラブでは年に二回、図書館や学校図書館、読書推進活動をしている団体様向けに、ニューズレターを発行しています。


ニューズレターについての情報は、公式サイトを御覧ください。下の図からリンクしています。



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