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インタビュー 児童書作家の黒川裕子さん 『#マイネーム』の表紙の女の子から目をそらせずに、レジに行く人続出!?

さ・え・ら書房から2021年9月に刊行された児童文学、『#マイネーム(ハッシュタグマイネーム)』について作者の黒川裕子さんにうかがいます。



書影


 
日本YA作家クラブ 会員インタビュー 第6弾は、会員さんへのアンケートとメールのやりとりをもとに、世話人の梨屋アリエが報告します。最新のYA作品や、みんなが知っているYA作品、YA層に読んで欲しい作品、その他、会員さんの情報としてYA作品以外の本の情報も、発信していきます。掲載順は、会員さんのお仕事のご都合に合わせて、決めていきます。更新は不定期になります。どうぞよろしくお願いします~。
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黒川裕子さんにインタビュー

  

児童書作家の黒川裕子さんは、講談社児童文学新人賞佳作の『奏のフォルテ』でデビュー。YA作品の他、小学生向けの『となりのアブダラくん』は、外国につながる子どもの支援活動をしている人のあいだでも話題です。


#マイネーム(ハッシュタグマイネーム)』の内容をひとことでお願いします!


(黒川さん)両親の離婚で名字が変わった主人公・明音(みおん)をはじめとする13歳たちが、学校主導の「さん付け運動」に反旗をひるがえします。自分や他者にとって「名前」「名づけ」とは何を意味するのか再考しながら、自己のアイデンティティを証明していく物語です。ひとことじゃなくてすみません。


(梨屋)YAっぽいテーマですね! 読者の対象年齢はどのくらいで考えていますか。


(黒川さん)小学校高学年から、大人までぜひ


執筆のきっかけは?


(黒川さん)舞台となる銚子市に家族旅行に行ったとき、海とキャベツ畑が広がるのんびりした雰囲気がとても気に入りました。このお話では、選択的夫婦別姓問題や、在日コリアンのコリアンネームやヘイト問題など、社会的な問題も描かれています。でもこの町の雰囲気なら、おおらかでユーモアのある物語にできるのではと思いました。

 作品全体を通してSNSとリアルな学校生活が混じり合い、並行してお話が進んでいくのも大きな特徴ですので、色んなSNSを研究しました。


(梨屋)たくさんの情報が作品に詰まっているのですね。海とキャベツ畑の風景、素敵だったでしょうね。でも、この本の表紙はそんなのんびりとは違って、女の子の挑戦的な表情です。


(黒川さん)イラストレーターさん&デザイナーさん&担当編集者さんの抜群のケミストリーで、非常にインパクトのあるカバーイラストに仕上げていただき、おかげさまで「目が合って買った」など作品の顔として好評です。


(梨屋)イラストとタイトルの文字のレイアウトも、とても印象的ですね。

 ところで、今回は銚子が舞台ですが、黒川さんはこれまでも現実の町を舞台に作品を書いていますね。登場人物の環境からお話の設定を考えていくのでしょうか。


(黒川さん)登場人物の環境というより、自分が実際に行ってインスピレーションを受けた場所から物語の核をもらうことが多いです。

 そこから、ここで活躍するのはどんな子だろう?というように広がっていきます。

 既刊『いちご×ロック』でもそうですし、『天を掃け』でも、実際に山口県に行って星空を眺め、深山の匂いをかいだのが執筆のきっかけでした。


執筆中の出来事で印象に残っていることはありますか?


(黒川さん)対面取材ができない、アポが取りづらい、はたまた図書館や資料館の休館など、コロナ禍で取材に苦労したのも2021年発刊の本書ならではの思い出でしょうか。


出版社による本の情報サイト


著者

黒川裕子さんProfile


大阪府出身、千葉県市川市在住

児童書作家。

Twitter: @kurokawa_yuko





執筆以外の最近の活動や関心ごとを一言おねがいします。


(黒川さん)庭いじり、特にバラ栽培が一年を通した趣味です。植物にかぎらず何かを育てること全般が好きで、いまは夏に孵化したカブトムシの幼虫たちの育成に心血を注いでいます。


机周り

仕事デスク周り  執筆環境はかわいいもので囲む主義。



(梨屋) さて、デビュー作を拝見して以来、黒川さんにお聞きしたいことがあったのです……。聞いていいものか悩んでいました。この機会に勇気を出して、思い切って聞きます。  『奏のフォルテ』等の奥付に書かれていた黒川さんの経歴がとても不思議なのですが、もしや国際スパイを目指していたのでしょうか!?


(黒川さん)児童書作家というのは仮の姿で、今でも現役の国際スパイとして日々暗躍しております。

 日本の大学では(外国人に対する)日本語教育学を。スコットランドの大学では主にDVを中心として、犯罪学(Criminology and Criminal Justice)を学びました。

 ふたつに特に繋がりはなく、そのときに一番興味のあることを学んでいます。しかし結果として、人生に無駄はなし、とも思います。


(梨屋)そ、そうでしたか。現役の国際スパイだったんだ……。みなさん、このことは秘密にしておいてくださいね。



その他の近刊

2021年4月『いちご×ロック』(講談社)



黒川裕子さん ご協力ありがとうございました。



レター

日本YA作家クラブでは年に二回、図書館や学校図書館、読書推進活動をしている団体様向けに、ニューズレターを発行しています。




ニューズレターについての情報は、公式サイトを御覧ください。下の図からリンクしています。



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